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権利範囲確認審判における確認対象発明の特定可否(2021フ10725、大法院2023年12月28日宣告)

大法院は最近、特許権の権利範囲確認審判における確認対象発明の特定可否が問題となった事件で、確認対象発明の特定可否は職権調査事項であり、これを判断するための基準を提示した判決を下した。具体的な内容は以下の通り。

審判は特許審判院での行政手続きであり、審決は行政処分に該当し、それに対する不服の訴訟である審決取消訴訟は抗告訴訟に該当し、その訴訟物は審決の実体的・手続的違法性の有無であるから、審決取消訴訟の当事者は、審決で判断されなかったものであっても、その審決の結論を正当化または違法化する事由を審決取消訴訟段階で主張・証明することができ、審決取消訴訟の法院は、ほかにみるに足る特別の事情がない限り制限なくこれを審理・判断して判決の基礎とすることができる。特に確認対象発明が適法に特定されているかどうかは特許審判の適法要件であるから、当事者の明確な主張がなくても疑いがあるときは、特許審判院や法院がこれを職権で調査して明らかにすべき事項である。

特許権の権利範囲確認審判を請求する場合審判請求の対象となる確認対象発明は、当該特許発明と互いに対比できるくらい具体的に特定されるべきであるだけでなく、それに先立って社会通念上特許発明の権利範囲に属するかを確認する対象として他と区別できる程度に具体的に特定されなければならない。確認対象発明の特定可否は、確認対象発明の説明書と図面を一体に把握し、これを総合的に考慮して判断しなければならないから、確認対象発明の説明書に不明確な部分があったり、説明書の記載と一致しない一部図面があったりしても、確認対象発明の説明書に記載された残りの内容と図面を総合的に考慮し、確認対象発明が特許発明の権利範囲に属するかどうかを判断できる場合は、確認対象発明は社会通念上特許発明の権利範囲に属するかを確認する対象として他と区別できる程度に特定されたものとみなければならない。』

具体的に、特許審判院は、確認対象発明と実施主張発明が同一ではないため確認の利益がないことを理由に、原告の審判請求を却下した。特許法院は、確認対象発明と実施主張発明の同一性について判断しないまま、確認対象発明が特定されていないため審判請求が不適法であるとみなし、特許審判院の審決を維持した。そこで、大法院は、原審が本件審決で判断されなかった事項である確認対象発明の特定可否を職権で審理・判断したことに誤りはないが、確認対象発明の説明書に記載された残りの内容と図面を総合的に考慮するとき、確認対象発明は社会通念上特許発明の権利範囲に属するかを確認する対象として他と区別できる程度に具体的に特定されているとみなし、これと異なった判断をした原審判決を破棄し差戻した。

本判決は、(ⅰ)法院は確認対象発明の特定可否を職権で審理・判断することができ、(ⅱ)確認対象発明の特定可否を判断する基準を提示した点で意義がある。
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