特許分割出願加算料の導入(2023年8月1日施行改正法)
分割出願とは、一の特許出願(「原出願」)に二以上の発明が含まれる場合、原出願の最初明細書又は図面に記載された事項の範囲内でその一部を別個の特許出願として分割することをいい、分割出願は、原出願したときに出願したものとみなす(特許法第52条)。
分割出願制度は、発明の説明又は図面にのみ記載された発明を保護し、権利範囲の再設計の機会を確保するための制度である。
1. 改正内容
分割出願回数当り累進制に変更される。具体的に、2回目の分割出願は新規出願料の2倍、3回目の分割出願は新規出願料の3倍、4回目の分割出願は新規出願料の4倍、5回以上の分割出願は新規出願料の5倍となり、最大5倍まで分割回数を掛けた金額に引き上げられる。
2023年8月1日から起算して分割出願回数当り累進制を適用する。ただし、2023年8月1日前の分割出願の回数は、この改正による分割出願の回数算定に含まない。
2. 改正の趣旨
特許庁は、本来の分割出願制度の趣旨を超えて、単に特許出願を維持したり、審査処理を遅延させたりするなど、分割出願を悪用する事例を防止するために、分割出願料を分割回数に応じて最大5倍まで分割回数を掛けた金額に引き上げた旨明らかにした。これは、欧州特許庁の事例を反映したものである。
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