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登録遅延による特許権の存続期間の延長登録出願制度

1. 制度の趣旨
韓国において、特許権の存続期間は、設定登録日から特許出願日後20年となる日までである。このとき、審査処理期間の遅延等で特許権の設定登録が遅れると、特許権の存続期間が実質的に短くなるという不合理な点があったところ、このように、審査処理期間等により異なってくる存続期間を合理的に調整することで、特許権者の権利行使の期間を忠実に保障するために、「登録遅延による特許権の存続期間の延長登録出願」制度が存在している(韓国特許法92条の2乃至5)。同法は、2012年3月15日から施行されている。

2. 登録遅延による特許権の存続期間の延長登録出願の主な要件
- 出願日(国際出願の場合、国際出願日)が2012年3月15日以降の出願に適用される。
- 特許出願について特許出願日から4年または出願審査請求日から3年のうち遅い日(以下、「延長基準日」)より遅延されて特許権の設定登録がなされる場合、その遅延された期間分当該特許権の存続期間を延長することができる。ここで、特許出願日から4年を起算するときには、分割出願の場合には分割出願をした日、国際出願の場合には韓国への国内段階移行日を基準とする。
- 存続期間を延長登録することができる期間は、遅延された期間、すなわち、延長基準日から設定登録日までの期間や、出願人により遅延された期間は除外される。出願人により遅延された期間は、特許法施行令及び施行規則に限定列挙されている。例えば、特許出願に対し拒絶理由が通知され、出願人に与えられた対応期間(補正書及び意見書を提出することができる期間)は、出願人により遅延された期間に該当する。しかし、出願人がこの拒絶理由に対し補正書を提出することなく意見書のみを提出して特許決定された場合には、当該期間は、出願人により遅延された期間から除外される。また、出願人が拒絶理由に対する対応期間を延長した場合には、延長された分出願人により遅延された期間に加算される。

3. 登録遅延による特許権の存続期間の延長登録出願の手続
- 特許権者は、特許権の設定登録日から3か月以内に、特許番号、延長申請期間、延長理由等を記載した存続期間延長登録願書を提出しなければならず、特許権が共有である場合、共有者全員が共同で出願しなければならない。
- 延長申請期間及び延長理由は、特許権の存続期間の延長登録可否の決定前までに補正することができるが、審査官により延長申請期間等に対する拒絶理由が通知された場合には、意見書を提出することができる期間内のみに補正することができる。
- 拒絶理由が存在しないかまたは解消された場合、延長登録決定書が発送され、特許公報に延長期間等が掲載される。
- 拒絶理由が解消されない場合、延長登録拒絶決定書が発送され、特許権者は拒絶決定書の送達日から30日以内に延長登録拒絶決定不服審判を請求することができる。

4. 効用性
登録遅延による特許権の存続期間の延長登録は、医薬品及び農薬等に適用される許可等による存続期間延長登録と異なり、全ての発明に適用される。但し、韓国では、平均的に審査請求後1年〜1年6か月以内に最初の審査結果が、拒絶理由通知に対し出願人が補正書及び意見書を提出した後は1〜4か月以内に審査結果が出る等、審査処理速度が比較的速いため、1〜2回程度の拒絶理由通知を受けた後に特許登録がなされる場合には、上記制度が適用されることは多くないものと思われる。しかし、拒絶決定不服審判や審決取消訴訟を経て特許登録がなされる場合には、上記制度は特許権の存続期間を合理的に保障するうえで有用である。
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