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専用使用権

商標の出所表示機能が強調されていたこれまでにおいては、商品出所の誤認・混同の防止という商標法の目的から、使用権制度が認められなかった。しかし今日においては、商品出所は匿名の存在としての抽象的出所に過ぎないことから、使用権設定を認めている。
使用権には、登録商標を指定商品について設定行為で定めた範囲内において非独占的に使用することができる通常使用権と、登録商標を指定商品について設定行為で定めた範囲内において独占的に使用することができる専用使用権とがある。この使用権は、基礎となる商標権の消滅及び使用権設定契約上の消滅事由で消滅する。

以下では、専用使用権の設定方法、専用使用権者の地位、商標権者の義務に関連する問題などを考察したい。

1. 専用使用権の設定方法
- 専用使用権は、地域と時期を定めて商標権者の使用も排除することができる独占的な商標使用権を付与する行為であるため、一つの地域と期間について一つの専用使用権のみ設定することができる。
- 専用使用権の効力は、私的な契約により発生し、商標原簿に登録されると第三者対抗力が発生する。
2012年の法律改正前は、専用使用権を商標原簿に登録することが専用使用権の効力発生要件であったため、商標原簿に登録されていない専用使用権は、専用使用権として認められず、通常使用権として認められた。しかし2012年の法律改正後は、商標原簿に登録されていなくても、その効力が発生する。これにより、法律改正前は、商標原簿に登録された専用使用権者のみ商標権の侵害禁止及び損害賠償を請求することができたが、法律改正後は、登録されていない専用使用権者も同法律行為に対する当事者適格を有する。また、専用使用権を商標原簿に登録した場合は、両立することができない権利を有する第三者に対して専用使用権の存在を主張することができる。

2. 専用使用権者の地位
- 専用使用権者は、設定された範囲内において商標権に対する物権的権利を有するため、商標権を侵害する行為に対して商標権侵害禁止権及び損害賠償訴訟などを行使する権利がある。
- 専用使用権者が韓国国内に製造施設などを置き、商標品を100%製造・販売して韓国の需要者に独自的な信用を構築した場合、真正商品の並行輸入を禁止することができる。
- 専用使用権者の商標使用は、商標権に不使用取消審判が提起された場合、商標使用の根拠として認められる。これは、通常使用権者も同様である。
- 専用使用権者は、設定された範囲内において商標権を更新することがで
 きる。

3. 品質誤認や出所混同発生時の規制のための制度的装置
使用権者が登録商標の同一・類似範囲に属する商標を同一・類似範囲に属する商品に使用して需要者をして商品品質について誤認を生じさせたり、他人の業務に関連する商品と混同を起こさせたり、誤認・混同のおそれが客観的に存在したりする場合、商標権及び/又は使用権は、商標法上の取消審判制度により取り消される可能性がある。

- 商標権者の場合、こうした 誤認・混同又は誤認・混同のおそれが発生しないように「相当な注意」をしなかったならば、商標法第119条第1項第2号の取消審判の対象となる。
相当な注意とは、誤認・混同行為をしないように注意警告するだけでは不十分であり、商標使用状態について報告を受けたり、商品の品質を検査したりするなど、実質的に使用権者をその支配下に置いているような関係維持をいう
- 使用権者は、商品に自己の氏名又は名称を表示しなければならず、品質誤認や出所混同が発生しないように正当に商標を使用しなければならず、疎かにする場合、商標法第120条により使用権登録取消審判の対象となる。
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