カラー商標と白黒商標
これまでは、カラー商標の出願を考慮することは少なかったが、最近では、商品に直接付す商標や広告に使用する商標はほとんどカラー商標である。白黒商標が中立的な商標であるという認識があるため、白黒商標として出願すべきかカラー商標として出願すべきか悩む場合があるが、これを韓国商標法の観点から考察したい。
❏不使用取消審判
登録商標の3年以上の不使用による取消しを免れるための使用は、同一範囲の使用でなければならない。これは、先願主義を採用する韓国の商標法において使用主義的要素を加えた規定である。
韓国の商標実務上、不使用取消審判における同一範囲に対する判断は厳格である。この不使用取消審判でも、登録商標と色彩のみ異なる商標の使用は同一商標の使用と認められる。
すなわち、白黒商標として出願してカラーで使用しようと、カラー商標として出願して白黒で使用しようと、不使用取消審判をはじめとした韓国の商標実務上、このような使用は同一範囲の使用と認められる。
❏他人の出願及び侵害防止
白黒商標が中立的な商標であるという認識から、白黒商標の権利範囲がカラー商標の権利範囲より広いと考えられることもあるが、韓国の商標法上、色彩のみ異なる商標は同一商標として扱われるため、特別に白黒商標の権利範囲が広いとは断定しがたい。
原則として、白黒商標であろうと、カラー商標であろうと、色彩が類似判断に及ぼす影響は同じである。しかしながら、商標の色彩配列が独特で、色彩配列まで模倣した商標を他人が出願又は使用する場合には、登録商標をモチーフとした商標を冒認出願又は使用したことを強力に主張することができる。
❏結論
特別に白黒商標の保護範囲が広いとはいえず、 色彩配列まで模倣した商標を他人が出願又は使用する場合にはより強力な類似主張が可能であることを考慮して、実際に使用する商標を出願して登録を受けることが一番望ましい。
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