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商標の使用

1.商標法上の意味
商標権とは、基本的に商標の使用でその権利が行使されるので、商標の使用という概念は、商標法の諸般規定において根幹をなすものである。商標の使用は、商標の登録、商標権の侵害有無、登録商標の取消可否等を扱うにあたり非常に重要な役割を果たす。

「商標の使用」とは、次のいずれかに該当する行為をいう。
(1)商品又は商品の包装に商標を表示する行為
(2)商品又は商品の包装に商標を表示したものを譲渡若しくは引き渡したり譲渡若しくは引き渡す目的で展示・輸出若しくは輸入する行為
(3)商品に関する広告・定價表・取引書類、その他の手段に商標を表示して展示したり広く知らせたりする行為

2.商標使用の様態

1)商品又は商品の包装に商標を表示する行為(韓国商標法第2条第1項第11号ア目)

(ア)商品に商標を表示する行為
商品に直接商標を表示することをいうが、商品表面に商標を刻んだり(刻印等)書き込んだり若しくは商品に印刷された商標を付したりする等の場合であって、衣類、カバン、自動車等でそのような使用例がよくみられる。

(イ)商品の包装に商標を表示する行為
商品に直接商標を表示せずに商品の包装紙、包装箱、包装容器等に商標を表示したりその包装容器に印刷された商標を付したりする行為等をいう。お菓子、ラーメン、化粧品容器等でそのような使用例がよくみられる。

(ウ)商品、商品の包装等を標章の形状で表示する行為
商標を立体的に形状化して表示することをいうが、商標を商品又は商品の包装容器のように形状化して使用することをいう。洗剤容器、化粧品容器、飲料水瓶等のように立体的形状で使用する場合がここに該当する。

2)商品又は商品の包装に商標を表示したものを譲渡、引き渡す行為(韓国商標法第2条第1項第11号イ目)

(ア)商標が表示された商品等を譲渡、引き渡す行為
商標が表示された商品を譲渡若しくは引き渡すことは、商標を使用することになる。譲渡は、商品に関する所有権を他人に譲り渡すことをいい、引渡は、商品を渡すことをいうが、こうした譲渡・引渡行為は、それを業として行うものでなければならないが、譲渡若しくは引渡は、それ自体として商標の使用になる。

(イ)譲渡若しくは引渡の目的で展示・輸出若しくは輸入する行為
商標が表示された商品を直接譲渡若しくは引渡はしないが、その目的で商品又は商品の包装に商標を表示したものを展示したり若しくは輸出・輸入する行為は、商標の使用になる。したがって、譲渡若しくは引渡が行われなかったとしても、その目的で展示若しくは輸入・輸出行為だけでも商標の使用になる。

3)商品に関する広告行為等
商標に関する広告をしながら商標を表示して広告したり、商品の定価表・取引書類及び看板又は表札に商標を表示したり、商標が表示された商品宣伝パンフレット等を展示若しくは頒布したりする行為は、商標の使用行為になる。広告行為には、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、カタログ、パンフレット、看板、電信柱、建物壁、カレンダー、ホームページ、インターネットショッピングモール等を通じて商品を宣伝する一切の行為を含む。

3.商標法上の商標の使用に対する法的効果

1)商標登録前
ⅰ)国内において商標を使用する者若しくは使用しようとする者は、自己の商標の登録を受けることができ、ⅱ)識別力のない商標も、使用による識別力を取得した場合、商標登録が可能であり、ⅲ)未登録商標も、使用により特定人の商品表示として認識されたり、周知・著名な商標になった場合には、他人の商標登録出願に対する登録禁止効が認定され、ⅳ)商標登録前の出願商標を使用している場合であれば、一定の条件下で当該商標の使用に関する業務上の損失に相当する補償金の支給請求が可能である。

2)商標登録後
ⅰ)他人の登録商標と同一又は類似の商標であっても、他人商標の出願前特定人の商品表示として認識された場合ならば、一定の条件下で自己の商標を継続して使用する先使用権が付与され、ⅱ)他人の登録商標と同一又は類似の商標を正当な権限なく使用する場合、商標権侵害に該当し得、ⅲ)登録商標の不正使用により商品出所の混同等を招来した場合又はⅳ)登録商標を正当な理由なく国内において3年以上使用していない場合、当該登録商標は取消対象になる。


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