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商標権者の商標の不正使用による登録商標の取消し

弁理士 鄭 錫鳥

1. 登録取消事例[特許法院-2014ホ3729]
指定商品: 短靴、バスケットボール靴に登録されている登録番号第454237号(以下「登録商標」)」の登録商標権者が、登録商標を変形した商標(以下「実使用商標」)を「運動靴」に使用した。その後の登録商標取消訴訟において特許法院は、登録商標権者の使用した実使用商標の標章及び指定商品が、他人の商標である登録第372274号(以下「登録商標」、指定商品: 運動靴)」の標章及び指定商品に類似し、商品出所について誤認・混同を招来させたものであるから、登録商標権者の実使用商標の使用は、登録商標の不正な使用に該当するとして、登録商標の登録を取り消す判決をした。

2. 規定
商標法第119条第1項第1号は、「商標権者が故意に指定商品に登録商標に類似する商標を使用するか、又は指定商品に類似する商品に登録商標又はこれに類似する商標を使用することによって、需要者に商品の品質を誤認させ、若しくは他人の業務に関連する商品と混同を起こさせた場合」には、商標登録を取り消すことができるように規定している。

3. 適用条件
(1) 商標権者の使用であること: 共有商標権の場合、共有者の一人の不正使用でも当該商標権を取り消すことができる。
(2) 故意による使用であること: 判例は、対象商標の存在に対する認識だけでも十分であるとみており、さらにその対象商標が周知・著名の場合には、特別な事情がない限り、故意の存在が推定される。
(3) 登録商標の類似範囲内の使用であること: i) 指定商品に登録商標に類似する商標を使用した場合、ii) 指定商品に類似する商品に登録商標又はこれに類似する商標を使用した場合
(4) 需要者をして品質誤認又は出所混同を生じさせたこと: 他人の業務に関連する商品と混同があるとみるためには、誤認・混同の対象となる対象商標が存在しなければならない。

4. 留意点
登録商標の不正使用を理由に商標登録が取り消されれば、商標権は将来に向かって消滅し、使用権等商標権に付随する権利も当然消滅し、商標権者及びその商標を使用した者は、商標権が消滅した日から3年が経過していなければ、消滅した登録商標と同一又は類似の商標をその指定商品と同一又は類似の商品について商標登録を受けることができない。

したがって、商標権者は、自身の登録商標の使用はできるだけ登録された形で使用するのが望ましく、不可避的に他の要素を加えて変形された形で使用しなければならない場合には、他人の商標と誤認・混同しない範囲で行う必要がある。

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